西光寺では毎年2月28日に大般若会を行っています。
大般若会とは、大般若経転読会(だいはんにゃきょうてんどくえ)ともいわれ、大般若経600巻の経題を読み上げ、経典一巻一巻を転読します。大般若経の経文を読むことにより、その功徳をもって、世界の平和や無病息災を願う法要のことです。
今年は若い僧侶たちに手伝っていただき、無事に600巻の転読を行うことができました。
本来は600巻ものお経本を読まなければならないので大勢の僧侶で行いますが、コロナ禍ということもあり、住職と他4人の僧侶にて行いました。
大般若転読会の折には「十六善神」の掛け軸をご本尊としております。西光寺の大般若転読会の際には釈迦・普賢菩薩・文殊菩薩の釈迦三尊を描くものが祀られます。
お釈迦様の右に獅子に乗っているのが文殊菩薩、左象に乗っているのが普賢菩薩、そして、お釈迦様の左右に八人ずつ、剣や槍や斧などを持った方々が十六善神といわれ大般若経を守護し、仏法を信ずる私たちを護ってくださる神々です。これらの善神たちは「般若」をこれから我々で大切にお守りします、という大誓願(だいせいがん)を興したので、以後、これらの神々を「般若守護の善神」としました。別名、十六夜叉神、般若守護十六善神などともいわれています。
一番前の右側に、大きなお経を背負ったお坊さんがおりますが、その方は大般若経をインドから中国に持ち帰り、そのお経を漢文に翻訳された、かの有名な玄奘三蔵法師(げんじょうさんぞうほうし)です。
今まさに、世界では紛争が行われ大勢の人の命が奪われています。新型コロナ感染症もなかなか治まる様子が見えず、安心して過ごせる日々が訪れるのかと不安が募ります。
今日の大般若会は平和と無病息災を祈り、一日でも早く世界の人々が平和で笑顔に過ごせることを切に願っています。